Glossary用語集

カニバリゼーション

かにばりぜーしょん

カニバリゼーションとは?

カニバリゼーション(Cannibalization)とは、同じ企業内で展開している複数の商品やサービスが、お互いに競合してしまい、自社内で市場や売上を奪い合ってしまう現象のことです。
日本語では「共食い現象」とも呼ばれます。本来は新商品を投入して売上を伸ばそうとする場面で、かえって既存商品の売上を減らしてしまう結果になる場合に起こります。

仕組み(使い方)

カニバリゼーションは、新商品を発売したときや、複数のブランドや価格帯を展開しているときに発生しやすくなります。たとえば、既存商品のAが順調に売れている中で、新商品Bを発売したところ、顧客がAではなくBを選ぶようになり、Aの売上が下がってしまう場合があります。
このように、ターゲット層が重複している商品を同じ企業が展開すると、商品の間で売上の取り合いが発生する可能性があります。

特徴

  • 自社の製品やブランド同士が市場で競合してしまうという構造です。
  • 新商品投入のタイミングでよく見られる現象です。
  • 意図せずに起こる場合もありますが、戦略的に狙って発生させるケースもあります。

メリット

  • 新商品によって競合他社から顧客を獲得できる可能性があります。
  • 商品ラインアップを増やすことで、幅広い顧客ニーズに対応しやすくなります。
  • ブランドや企業全体としての市場シェアを拡大できる可能性があります。
  • 中長期的には、新商品が主力商品となって企業全体の成長につながることもあります。

デメリット・注意点

  • 既存商品の売上が減少し、全体の利益率が低下する恐れがあります。
  • 商品開発やマーケティングにかけたコストが回収できなくなる可能性があります。
  • ブランド全体の方向性がわかりにくくなり、顧客に混乱を与えることがあります。
  • 経営資源が分散し、どの商品も中途半端になってしまうリスクがあります。

まとめ

カニバリゼーションとは、同じ企業内の商品やサービスが競合し合い、売上を奪い合ってしまう現象のことです。これは新商品を投入する際に起こりやすく、戦略的に活用することで競合に打ち勝つこともできますが、誤った戦略では自社全体の売上やブランド価値を下げてしまう可能性があります。
そのため、商品開発の段階からターゲットやポジショニングを明確にし、事前にしっかりと市場分析を行うことが大切です。