アイソクロナス転送とは?
アイソクロナス転送とは、データを「一定の時間間隔」で連続的に送信する方式のことです。
「アイソクロナス(isochronous)」は、「等しい時間の間隔」を意味しており、主にリアルタイム性が求められるデータ転送に使われます。
例えば、音声や動画のストリーミング、Webカメラの映像送信、USBマイクなど、「遅延なく、滑らかに届けること」が大切な場面で活躍します。
仕組み(転送の流れや特徴)
- 一定の時間ごとにデータを送る:アイソクロナス転送は、タイミングを優先する転送方式です。たとえ一部のデータが欠けても、「時間通りに送ること」が最優先されます。
- バス帯域(通信路)を確保して使う:USBなどでは、あらかじめ「この時間はこの機器が使う」というように、スケジュールが決まっています。他の転送方式と違って、予約制のような仕組みです。
- エラー訂正を行わないことが多い:再送によってタイミングがズレてしまうのを避けるため、多少のデータ欠損があってもそのまま処理される場合が多いです。
アイソクロナス転送の特徴
- 時間重視のデータ転送:データの正確さよりも「リアルタイムであること」が重視されます。
- 連続的で一定のペース:止まったり詰まったりせず、リズムよく流れるようにデータが送られます。
- 主にUSBやFireWireで使用される:オーディオ機器、カメラ、ストリーミングデバイスなどに使われます。
- 転送速度よりも安定性重視:爆速ではないけれど、「遅れずに途切れずに」が大事な場面に向いています。
メリット
- リアルタイム性が必要な機器(音声・映像など)にぴったりです
- 一定間隔でのデータ送信により、スムーズな体験を提供できます
- 音飛びや映像の遅延を最小限に抑えることができます
- USBオーディオ機器など、一般家庭にも広く普及している技術です
デメリット・注意点
- データの欠損があっても再送されないため、完全な精度は保証されないです
- 安定した通信が求められるため、他の通信と干渉しないような設計が必要です
- 通信帯域を予約して使うため、他の転送方式とのバランスが重要です
- 記録目的には不向き(再現性よりリアルタイム性が優先される)
まとめ
- アイソクロナス転送は「一定の時間間隔で送る」リアルタイム重視の転送方式
- 音声・映像など、スムーズな体験が求められる場面で活躍
- 精度よりも「途切れないこと」が大事なので、再送はしないのが基本
- USB機器やデジタルオーディオなど、日常でも意外と身近に使われている技術